2010年6月22日火曜日

W杯のこと

 W杯が始まった。
 ベルギーは出場していないせいもあり、あまり盛り上がっていないが、先日、隣のオランダに行ったときは、商店街がオレンジ(ナショナルカラーですね)の旗やボールの飾りで埋め尽くされているし、カフェはそれぞれ「きょうは中継見せるよ〜」を謳っているし、その日試合のあったイングランドのユニフォームの人々はいるし……で大盛り上がり。ドイツだって、この間行った時はまだ始まってもいなかったのに、国旗を部屋から提げるわ、車に付けて走ってるわ――という有様だった。

 我が家は、地上波のテレビは見られず(配線自体がおかしいから工事をした方が良い、と言われて放置してある)、衛星放送を入れていて、外国の放送局の国外放送用のものしか見ていない。オリンピックもそうなのだが、このW杯も放送権上の問題だそうで、国際放送では中継はもちろん、録画画像も見られなくなってしまう。
 この「放送権上の問題」はスポーツ関連だけではなく、たとえば、NHKが民放から借りて来た画像なんていうのも、借りる時の条件で、国内のみとでもなっているのであろう、見られないし、事務所との契約なのか、番組内で過去の映像なんかを見せるときに、いつも見られなくなってしまう芸能人もいる。まあ、音声は聞こえるわけだし、誰が隠されたのかっていうのはわかるので、法則性を推理するのもなかなか乙なものである。先日は、ハプスブルグ家関係の映像はまったく見られなくなっていたが、ハプスブルグ家? 管理している博物館かなにかの条件なのかな?

 閑話休題。
 というわけで、日本の海外向け放送では、ニュース内でもW杯関連の時は画像に「放送上の都合によりお見せできません」というお断りの文字がかぶってみられなくなってしまうし、ドイツの第二放送ZDFに至っては、海外放送用にW杯を完全にカットしたプログラムのZDF Neoというものを放送している。当初、夫はドイツ放送局のHPから、文字配信の(!)中継をチェックしていたのだが、ベルギー放送局で動画中継が見られるのがわかって、それを見ることにした。フランス語でも、サッカー中継なんて、数字と固有名詞ばかりなので、分かる気になるのもなんとなく嬉しい。

 月曜の昼、出先から帰る時、トラムでポルトガル人街を通ったら、いくつか並ぶポルトガル料理店の前に机を出して、国旗やユニフォーム、ブブゼラも売っている。テレビ中継もつけておくそうで、人々が集って来ている。なんか、外苑前駅から神宮球場への道のよう。窓からポルトガル国旗も提げてある部屋も多いし。そうか、今日はこれからポルトガル戦か、と思っていたら、トラムに国旗をマントみたいに首に巻いた青年も乗り込んできた。
 8年前、住んでいたボンもそうだったけど、外国人の多い街は、それぞれ、自国を応援して盛り上がる。気づくと、いろいろな国旗が、窓から提げられている。ポルトガルとブラジルの両方が提げられた窓なんかもあって、国際カップルかな? なんて想像したりする(最近、ベルギー国旗を提げている部屋も多いが、それは、先日の総選挙でベルギー分離派政党が躍進したことに対する反動)。アンチナショナリズム教育のせいか、いまひとつ、私は日本万歳という気持ちになりきれないところがあるのだが、自国愛――っていうのも悪いもんではないんだろうなあと思ったりはする。

 ところで、夫のヨーロッパ在住はこれで三度目になるのだが、ジンクスというか奇妙な符合がいくつかある。その一つが、W杯の年に帰国というもの。この符合には、ほか、日本にいないうちに、改革を訴えて、圧倒的な支持率を得た内閣が出来る(細川内閣/小泉内閣/鳩山内閣)。と、そのうちに大臣や官房長官の罷免/更迭をきっかけに人気が失墜するころに、帰国が決まる――なんていうのもあって、今年も、まさかね……と言っていたら、5月に入り、急な帰国が決まってしまった。このB街ともあと2ヶ月でお別れである。