2010年1月20日水曜日

アムステルダムの旅のこと


 週末にアムステルダムへ行って来た。
 金曜日、夫の仕事のあと夜出発なので、お弁当を作る。おにぎりと、骨なし鶏肉が買える金曜なので唐揚げとブロッコリー。ミニトマトやみかんも持って行く。車中で食べて、旅情ですな〜。でも、たどり着いてからおなかが空いたとか子供が言い出したり、閉め切った家に帰って来たら、油の臭いが残っていたり、いろいろ改善の余地はあろう。
 さて、今回の目的は現代建築巡り。東部湾岸地区のJAVA島とKNSM島に新しく開発された住宅地があり、斬新なデザインで面白いと、旅ブログで読んだので、行ってみようということになったのだ。そういえば、今回ブリュッセル滞在中の旅の参考書は圧倒的に雑誌『旅』だが、ドイツ時代は『Casa Brutus』だったのだ。当時は、現代建築とかよく見て回ったなあ。この間ユトレヒトに行ったときは『Casa Brutus』参考だったので、建築見学ツアーに参加したりした。でも、それは幸運な例外であって、2-3を残してバックナンバーは日本に置いて来てしまったので、参考にできないのだ。ああ、今あれが手元にあれば……と身もだえるがしょうがない。
 運河沿いに立ち並ぶ、新しい集合住宅。伝統的な運河沿いの家のスタイルを継いで、つながったファサードに、細く、縦に区切られた家。でも、大きく違うのは、どこも窓が大きく(1階部分は、全面ガラスのところも多い)。窓枠が華奢。軽快で新しい感じ。そして、どの家も、見られることを意識しているのか、まるで商店のようにディスプレイされている。カーテンも引いていないところが多い。窓の対面の壁全面が本棚になった家、子供服を収納しないで、壁に平たくコーディネイトした形でぶらさげてある家、観葉植物や、置物がスタイリッシュに置かれている家、階段を犬が上り下りしているのが見える家――あまりじろじろ見られない雰囲気はあったし、写真も撮らなかったが、ファッション誌やそれこそ『Casa Brutus』あたりに、このまま写したものが載っていても不思議がないような雰囲気だった。運河をまたぐ大橋も、支流の小さな橋も、それぞれデザインフル。

 ――だがしかし、写真で見るのよりもきれいに見えない? と思うのは、天気の悪く暗く、空も白いからだろう。実際、撮って来た写真とネット上の画像をくらべてみたが、圧倒的に色彩感が悪かった。残念。
 寒さは底を打ったとはいえ、まだ雪も、運河には氷も残る厳寒のアムステルダム。運河を通ってくる寒風に、なぜ、今、ここにいるのかと、あきれるを通り越して笑いがこみ上げてくる。雪の積もった遊び場で一人、スタイリッシュ遊具で遊ぶ子供。ここの写真も撮ってあるのだが、完全にモノクロームの世界になっていた。
 
 ここまでは、大人企画だったので、子供用企画で科学博物館に行った。どこに行ってもあるおおきなシャボン玉を作れる場所、光の三原色が学べる投光器(テレビの原理を説明してやったのに子供が途中で逃げたと夫は怒っていた)、雨水を浄化して飲み水にするプロセスを体験できるところ、太陽電池を利用した飛行機模型に、下から光を当てて動かせるところなどなど子供は楽しんでいた。
 もちろん、面白いのだが、夫や私にとっては、やっぱり、こういうのはドイツや日本には負けると思えた。なぜかをまじめに夫と議論?したのだが、やはり、過去からの蓄積を体系立てて、本物で見せる――という展示が少ないからだ、という結論に。つまり、ドイツや日本だと、かならずこれまで作られて来たものの展示、歴史的展示に多くを割かれているし、そこには、現物が展示されているが、ベルギーやオランダのは、模型にして体験することに重点が置かれている――という違いか。情緒的にいえば、過去の技術に対する敬意がない、ということ。蓄積/保管しようというのは、気持ちはもちろん、歴史的に科学技術が強い国ではないということでもあるかも。まあ、勝手な感想ですが。
 また、これはオランダならではだ! と思ったのは、人体のところで「Talk about sex」コーナーが設けられていたこと。まあもちろんそれは重要なことですが、デッサン用の人体模型を使って、体位の展示までしなくても良いのでは、舌の模型に手を入れて、握手でフレンチキスができるようにしてなくても良いのでは、まるで、熱海の秘宝館のようだ、と日本人は思ってしまったのであった。これは、街を歩いていても、普通にSex Shopが商店街にあるのと同じで、タブー視しないという国民性の現れであろうか……。

 さて、この建物は、海上にせり出していて、緑色のくじらみたいな形をしている。屋上がスロープになって、そこに、桟橋からダイレクトに上がれるようになっているのだが、天気が悪くて、この日は上れなかった。あとで、夫にこれはレンゾ・ピアノの設計なんだよ、と言われ、帰りのバスから真剣に見たが、どうもあまり冴えないように見えた。
が、戻って来て、ネットで画像を見ると、素敵な写真がたくさんあるので、天気がよければ、素敵に見えるのだと思う。私も写真撮れば良かったな。

 子供対策で、調べておいたミッフィーショップに出かけたが、住所のところにない。帰ってから調べて、移転していたことを知る。いや〜、確実に行きたいと思うところは、ガイドブックで見るだけでなくて、ちゃんとネットで最新情報を調べてから出かけないといけないなあ、とまた学ぶ。
 近くに明治屋があったので寄った。日本で働いていた会社のそばにあって毎日のように寄っていた店。赤い三つうろこのマークが遠くから見えただけで懐かしい気持ちになる。もちろん、ビールはキリン一番搾りだった(買わなかったけど)。海苔と、子供がなぜか欲しがったラムネを買う。ゆずの生しぼりがあって心惹かれたのだが、あまりに高くて買えなかった。夫は酸味に愛情がないし。寿司を中心に惣菜もある。日本の明治屋で買ってたような物はないね、と夫は言うが、私が明治屋で買っていたといえば、ベルギーのCote d'orのチョコ。それがここにあっても、まあ、嬉しくもなつかしくもないだろうなあ。明治屋製のジュースはなかったような気がする。かき氷シロップはありました。
 オランダに来たからには、のパンケーキを食べて、夫と子供はホテルに帰り、私は一人で散策。画廊風のショップや、手芸店、雑貨店などを流す。奈良美智さんの画集があったり、かもいのマスキングテープがあったり。

 夜ご飯のあと、雪が降って来ていてびっくりしつつ、アールデコ建築のホテル・アメリカンのカフェに寄る。高い天井に暗めの照明、図書館の閲覧机のような席もあり、とても雰囲気が良い。素敵空間なのだが、子供はとうぜん見向きもせずにプレイモービルで遊んでいた。
 夜のうちに雪は雨になったらしく、日曜の朝には、全部溶けてしまっていた。

 さて、オランダと言えば、独自の進化をしている自転車。自転車道がきちんと整備されていて、大量に走っている。書見台のような独特の前荷台のある無骨な自転車、その荷台にビールケースのようなプラスチックのかごを付けていたり、袋を乗せていたり。子供も乗せられるおおきな手押し車のような自転車、鮮やかな柄のバッグを後部荷台に付けていたり、サドルカバーにも鮮やかなものがある。なぜか、安っぽい造花をハンドルに巻き付けている人も多い。
 というわけで、日曜日。自転車を借りました。
 私は普通の自転車だけど、夫+娘チームは前に荷台の付いている手押し車的タイプ。朝はまだ小雨が降っていたのに、レンタルサイクル屋がガイドブックの地図の場所にはないのを、住所を頼りに探し出してしまい、なぜ、こんな天気に……と思いつつ、ひっこみがつかなくなってしまったのだった。この日は、古い市街地、伝統的な景色を見ながら自転車で走る。そして、エルミタージュ美術館の分館へ。
 3月から、マティス以降展が始まるのだが、今回は、ロシア皇室の財宝展みたいな感じで、うーん、失敗したか? と思っていたのだが、子供はお姫様の格好がたくさんあるので、興奮していた。私はこれが着たい、ピンクが絶対良い、などなど大騒ぎ。でも、よそのお子様も、そんな感じだったし、けっこう年配のカップルで「君にはこれがいいんじゃない」とか語っている人々もいた(これは英語だった)。

 美術館を出たら雨も上がり、アムステルダムを出る頃には快晴になっていた。最近、旅先の天気に恵まれないことが多いが、誰かこころがけが悪いのだろうか。

 自転車を借りたレンタサイクル屋
http://www.macbike.nl/html/index.html
 夫+娘チームが借りたのはこのBicycle typeのDです。

2 件のコメント:

Asako さんのコメント...

カモ井のマスキングテープって有名なのですね。思わず調べてしまいました。
1年ほど前に、有隣堂でちょっとプロモートしていたので、美しい色に魅せられて買いこんでしまったのだが、その時に「手作りプレゼント」を作ったきり、あまり使い道がわからずに放ってありました。
ネットで見ると、バレンタインのチョコのラッピングアイディアなんかがあって、なるほど~、と思ったところ。

オランダって、どうも私にとっては謎の国です。あんなにデカくてがさつなでファッションセンスを感じさせない人たちが、こと家となると、可愛らしい雰囲気で洗練された暮らし方ができるのだろう、と…。家もこじんまりしていてかわいいし(実際は大きいのだろうが)、カーテンをかけない大きな窓から見えるかわいらしいリビング…。出張でしか行ってないから、理解できなかったのかなあ…。

Amsel さんのコメント...

かもいのマスキングテープ、すぐ剥がせるので、うちでは子供に与えてます。子供、飾りのつもりで、自分で描いた絵とか、折り紙とかいろいろ物を壁に貼るんだけど、そんなのも安心して見てられる。他のシールとか貼られると、けっこうあとが大変なので。紙に描いた絵に貼って色を塗る代わりにしたりもしていて、けっこう面白い。あとは、子供が乱暴に扱ってすぐ壊す本の修理かな。

オランダ……確かにがさつ……食べ物もセンスないし(そればっか)。でも、ブルーナさんを生んだ国でもあるし、「可愛い」のセンスは日本と相通じるものがあるのかも。ドイツ人も、自分を飾ることに興味がないくせに、家は飾る人たちですが、センスはやっぱりごてごてというか、やりすぎになっちゃって、また違うんですよね……うまく書けないけど。