2009年12月10日木曜日

ドイツ物欲の旅のこと 前篇


 またまたドイツに行って来た。今回もクリスマス市(Weihnachtmarkt)も目的の一つだが、主目的は買い出し。

 ドイツって、ものが良くて安い気がして、行くとつい日用品も買ってしまう。歯ブラシなんかは、もうぜったいドイツで買う。オランダ/ベルギー地区のニュースを日本語で紹介してくれているサイトがあって、先日、EU圏内での物価比較の話題が出ていたのだが、同じIKEAの商品をくらべた場合、一番高いのはベルギーとのことだった(ちなみに一番安いのはフランスだそう)。ほら~。正当化された気になったけど、旅費がかかるわけだから、そこもひっくるめて元を取ろうと思ったら、歯ブラシ100本でも無理である。


 さてさて、そんなわけで、金曜日。今回は、子供の幼稚園のあと、夕方出発。また、まずはブリュッセルから特急一本で行かれるケルン。最近、スピードアップして、2時間かからずに行かれる! と宣伝しているが(といっても1時間57分なのだが)、当然のように20分遅れて、結局2時間ではたどり着かない。フランクフルトでの仕事を終えて、ケルンで待ち合わせしていた夫が、ホームまで迎えに来てくれて、子供は大喜び。「パパー!」と電車から飛びついて、ほかの客の感動を誘っていた(水曜の昼に別れたばかりなのですが)。

 ここのクリスマス市はドーム前と、古い市場あと、Neumarktと三カ所あって、どこも規模が大きい。屋台も、食べ物/クリスマス飾り/おもちゃ/手工芸品と各種たくさん出ている。毎年同じ場所に出すので、どこになにがあるか、なんとなく見当がつく。古い方の市場に面したホテルに荷物を置いて、近い屋台を流す。炭火焼き串豚肉を買って、三人でばりばりとかじる。ケルンのクリスマス市、この日はほんとうに人が多くて、子連れで歩くのが大変だった。去年も子連れでも来ているはずなのに、今年は特に混んでいるのか。こりゃだめだ、と引き上げおしゃれカフェっぽいところが空いていたので、そこで軽く食べる。


 翌日は、以前住んでいた街Bad Godesbergへ。

 夫は洗車に行ったので(彼は、未だに洗車もこのガソリンスタンドでしかしない)、子供と二人で、まずはMarkt(市場)。火木土と市が立って、主な買い出し先だった。懐かしい〜。ここでは、子供も食べるカレー粉を。昔から同じおじさん(というか、前は「おにーさん」だった)。辛くないカレー粉を指定するとぱっととってくれるので「そっちじゃなくて大袋で」と替えてもらう。ざっと流すと、ジビエ専門店のWild肉屋のオヤジも健在、当時は若かった息子が急激におっさんっぽくなっている。じゃがいも屋さんや、ほかにも何軒か知った顔もあるけど、思い出すのにいなくなってしまった人たちもいる。いつもDoppelnuss(Wナッツですね、クルミとヘーゼルナッツ)というパンを買っていたパン屋で、それも買いたくなるけど、旅の最初なので、ぐっと我慢して、ちょっとしたおやつっぽいパンを買う。子供はパンを一切れもらう。

 次は、BIOショップ。はちみつを買おうと思って来たのだが、WELEDAの商品がさすがに豊富なので、子供用の石けんと、身体が温まるというバスミルクのお試しサイズ。WELEDAの商品はブリュッセルだって買えるのだが、このお試しサイズの小瓶はないのだ。意味もなく、トマトペースト。子供のリクエストでもっと意味なくパスタ。

 書店に行って、小さい絵本でプレモのキャラクターを使ったのがあるので、それを子供に、親に毎年ここでカレンダーを買って送っていたので、今年も買う。以前はファミリープランナーを送っていたんだけど、もう一人暮らしになっちゃったので、ちょっと大きめに日付の升が切ってあるカレンダー。でも、イラストレーターは当時と同じHerme Heine。この店頭にベートーヴェン像があるのだが、サンタ帽をかぶらされ、この店の袋を持たされていた。

 次に大手チェーンのドラッグストア。例に寄って――の歯ブラシを買いつつ、子供に約束の湯たんぽを物色。去年私がブリュッセルで買って使っているのを、この間、風邪のときに、氷嚢にしたり、湯たんぽにしたりして子供に使わせたので、子供はずっと欲しがっていた。ブリュッセルとあまりに値段が違うので愕然とするが、ドイツ製なのでしょうがない。でも、とりあえずここは見送る。夫が合流して、ボディタオルを買う。

 別の薬局に寄って、そこでマウスのカバーのついた湯たんぽを子供に、もう一軒のBIOショップで、常備している胃腸に効くというハーブティを買う。暖かそうなアルパカ糸の靴下に惹かれるが、ぐっとこらえる。

 小さな広場に小さなクリスマス市が立っているので、そこで子供にメリーゴーラウンドに乗せて、この街を出る。


 ライン河を渡った反対側に、Koenigswinterという、アデナウアー首相の旧邸もある街がある。そこへは、橋がなくて、車も乗せられる渡しで渡る。河の上を風が通ってとても寒い。車に乗って待っていると、チケットきりのおじさんが来るので、お金を払って切ってもらう。

 Koenigswinterには、陶芸工房が一軒ある。絵は完全にドイツなのだが、湯のみの形、質感は和食器の雰囲気がある。そこの湯のみを使っているのだが、子供のはないので、それを買いにいった。ドイツに住んでいた最後に、なにか記念になる物を、と、この店で、表札を作ってもらったこともある。東京では使っていたが、今の部屋には必要ないので使っていない。子供には、柄は同じだが持ち手のついたカップにすることにした。その工房の面した道には、ここで作られたタイルがはめ込まれていて、子供と探し、踏んで遊びながら帰る。


 この街で昼ご飯を食べ、さらにWuppertalで織りリボンを作っている会社が、土曜日の午後だけ開けるので、そこに買い物に進む。

 以前、Bad Godesbergに、手作りの子供服を売っている店があって、当時は、子供もいなかったのだが、なにか惹かれて、店内に入ってみると、布地やボタン、リボンなど資材もたくさん売っていた。そこで出会ったのがここのリボン。連続模様のリボンも多いけど、モチーフごとに切り離してネームタグみたいにして使えるのもあり、モチーフも「ヘンゼルとグレーテル」や「星の金貨」など、メルヘンチックな物が多い。日本に帰ってから、プチグラパブリッシングさんが紹介していたので、ここの工房の存在を知ったのだった。

 途中、子供は寝てしまったので、路駐しながら、夫が待つという。一人で向かうと、れんが造りの古い建物、縦長の窓から織り機が並んでいるのが見える。今日は土曜日なので、機械は稼働していない。ドアは閉め切ってあるが、クリスマスリースが飾ってあって、押すと鍵はかかっていないので入ってみると、すぐの階段の上に向かって矢印が書いて貼ってある。天井の高さなのか、細長い窓のせいなのか、古くてぎしぎしいう木の床のせいか、なぜか学校を思わせる室内に、壁と窓に面した棚にちまちまとリボンが並べてある。部屋の中心に机があって、お菓子とコーヒーを並べて、常連?なのか、初老のご婦人方が歓談している。思ったより客が多くて、みんな目の色を変えてリボンを吟味している。男性連れも何人かいたのだが、意外に?協力的で、「こっちの色が良いんじゃない」なんてアドバイスしたり、高いところのリボンをとってくれたり。

 支払う段になって「どこにすんでいるの?」「今はブリュッセルですが、以前ボンに住んでいて……」と言いかけたところ、「ねえ、この人、ブリュッセルから来たんだって!」と中心のテーブルに向かって呼びかけられてしまい、「コーヒーを飲んで行け」「まずは座れ」と大騒ぎだった。が、「夫と娘が待ってますので……」と断ると、かわりに細かいものをおまけに入れてくれた。

 手芸の腕もないし、こんなものどうするんだという気にもなるが、織りリボンとか、チロリアンテープというものにめっぽう弱い。丸めて缶に詰めておいて、ときどき眺めるのも楽しい。宝石を眺める趣味よりは安上がりだと思って、許してもらおう(誰にか?)。

 ここWuppertalは、谷をまたぐ格好の橋脚を建て、レールを敷き、ぶら下げた形の電車Schwebebahnも有名で、この間、それには乗りに来た。変な揺れ方で、乗っても面白いし、走っている姿も、レトロフューチャーとでもいうべき魅力がある。この存在を知ったのは、これをモチーフにした切手が発行されたから。今回は、車なので、それはパス。残念だが、これは普通に公共交通機関なので、いつでも来さえすれば乗れる。


 さて、ケルンに帰って、今度は夫が買い物だ! という。靴屋で靴を、服屋で薄手のコートを買う。対抗上、私もブーツだ! と言ってみるが、私はふくらはぎが太く、足は幅が狭くて甲高と、靴を合わせにくい足なので、やっぱり買えず。子供にプレモのアドベントカレンダーを買う約束があって、おもちゃ屋を流すが、もう12月に入っているので、売り切れだと言う。ここに来る前に、夫は出張先のフランクフルトやエッセンで見て回ってくれたのだそうだが、そのときもなかったという。

 そもそも、旅行のたびに、何体かプレモを持って来るのだが、今回、用意までさせておいて、私が持って来るのを忘れて、子供にはめちゃくちゃ怒られた。私の海賊と男の子を予備に持ったのは忘れなかったので、それを貸してやっていたのだが、お怒りは解けず。旅の間中、そして帰ってからも「ままは忘れん坊だからな!」と言われ続けることに――というわけで、小さめのユニットを買って、もうそれは開けて遊ばせることにした。


 この日は、飲茶を食べて、よい気持ちでメインストリートを歩いて帰って来たら、なんと、土曜日なのに、22時まで店を開けているという! 往時は、土曜と言えば、午前中でほとんどの、大手デパートやチェーン店で16時閉店だったのに。隔世の感がある。大手書店が開いていたので、明かりに誘われる蛾のようにふらふらと入り込む。ドイツに来ると、リンドグレーンのDVDが豊富(フランス語圏では、ピッピだけになってしまう)。岩波書店の作品集に入っているくらいの物なら網羅されているくらい。2枚組のでロッタちゃんの多く入ったのがあったので、それを買う。


 こうして振り返ってみても、気が狂っているとしか思えない物欲の旅だが、まだ続く。



※画像はケルンドーム前のWeihnachtsmarkt


※※たまにはURLなど。ドイツ語ばっかですが。


 Koenigswinterの陶芸工房

 http://www.toepferei-dietz.de/


 織りリボンのKafka

 http://www.baenderei-kafka.de/


 WuppertalのSchwebebahn

 http://schwebebahn.com/

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