2009年11月5日木曜日

ブルゴーニュ旅行のこと






 11月1日は万聖節、ヨーロッパでは墓参りの日で、日本のお盆同様親戚が集まったりする重要な休日。マルシェの花屋も墓参り用の菊やアレンジメントで埋め尽くされる。子供の幼稚園も一週間休み――というわけでブルゴーニュの旅に出かけて来た。


 といっても最初はシメイ。まだベルギー国内。ここのビールは、初めて知った「ベルギービール」だと思う。大学生時代、世界には強くてちょっと変わったビールがあるんだよ――という出会いだったような。バブル時代だったのです。修道院への道が日本と同じ楓の仲間の並木道になっていて、まさに錦秋のおもむきだった。雨の中、修道院をちょっとだけ見て、併設のカフェに行く。お昼ご飯のあと、チーズフェスティバルをやっていて、外にテントが並んでいたので、見て回る。修道院ビールを使ったウォッシュや、ヤギのチーズがたくさんあって惹かれる

けれど、旅の始まりなので一つしか買わず(でも、一つは買ったということですね)。子供用にぬりえと色鉛筆が用意してあるので、そこで子供を遊ばせる。



 この日の宿泊地はランス。シャンパンの産地だと言うけれど、日曜日、しかも祝日、さらに嵐のような激しい風雨と、買い物歩きはできなかった。小さな教会の前に一台だけ設けられていたメリーゴーラウンドで子供を遊ばせて、大聖堂を見て、観光も終わり。大聖堂も、外は真っ暗だし、そもそもシャガールが好きではないので、有名なステンドグラスもじっくりとは見なかった。風雨がかなり強くて外観もちゃんとは見ず……。ただ、ガーゴイルが本来の用途を果たして水を勢いよく吐いているのを見られたのがとても面白かった。その後、家に帰ったら日本から送ってもらった本が届いていて、そのなかの深水黎一郎氏の『花窗玻璃』がランスが舞台だったので、もう少しちゃんと観光すれば良かったかな……という気にもなったが、あの嵐の雰囲気もまた、強烈な印象として記憶に残るのであろう(負け惜しみっぽいな)。


 次の日、ボーヌに向かう。こじんまりした建物が並ぶかわいい街。ちょうど、街についたときに雨が上がったせいか、街を歩いても楽しい。お昼ご飯もおいしい。ここでも小さな広場でメリーゴーラウンドが来ていたので、子供を遊ばせる。

 15世紀に建てられ、1970年代まで使われていたという慈善病院を見学。今は、博物館として公開している。一年に一度、ワインオークションが開かれているそうだ。ヨーロッパは格差社会だなあと思わせるのは、私にとっては、物乞いの人がいること以上に「施す人がいる」ことだけど、この「施し」はほんとうに豪奢。宗教もあるのだろうけれど、お金持ちの使い方ということをなんとなく考えてしまう。色瓦で幾何学模様が描かれた屋根がウィーンの聖ステファン寺院を思い出させたけれど、この辺りの地方の特色だそう。確かにその後も、もっと単純ではあるけれど、色瓦の屋根を見かけた。

 そのあとは、カーヴでワインの試飲。入り口で入場料を払って、テイスティング用のステンレスの皿と採点表をもらって地下のカーヴへ。ろうそくの光のみの暗闇に樽や瓶がならんでいる。テーブルとして置かれた樽の上に開栓された瓶が置かれているので、勝手に注いで飲む。捨てるための樽も用意されていて、ちゃんと口に含んでから吐き出している人も見たけれど、どうも格好よく出来ないので(気にすることでもないと思うが)、ちびちびなめて、残りを捨てて行く。二カ所で試飲。



 翌日は、産地へ。ムルソーとモンラッシェ。試飲しつつここではいくつか買った。ムルソーのシャトーには絵画が飾られていて、ビュッフェの絵がたくさんあった。酔いを醒ますのと、子供を遊ばせるために外を走り回ったりするが、ずっと小雨が降っていた。午前中に駆け足で回ってしまったので、またボーヌの街へ戻って、お昼ご飯。子供をメリーゴーラウンドに乗せたり、本屋さんに寄ったりして酔いを醒ます。

 次の目的地、ディジョンに行く途中、ロマネコンティの畑に寄ったのだが、道に迷ってくねくね行ったため、私はすっかり車酔いしてしまった。ワインの産地は、畑の中や山道を蛇行して走る道が多いこともあり、私はいつも車に酔ってしまう。しかし、今回はここでか……と思うと無念。夫が一人、買いに出かけた。が、どうしても勇気が出ず、やはりロマネコンティは買えなかったとのこと。


 ディジョンにたどり着いたときには、また天気が悪く、夕方真っ暗な中を街を歩く。これまでの小さな街と違い、大都会で驚く。建物も大きくなるし、ギャルリ・ラファイエットもある(ランスにもありました)。ここにもなんとまたメリーゴーラウンドが来ているので、子供を乗せる。ノートルダム寺院にあるという金運のふくろうを探すが、天気が悪く見つけ出せない。うちは金運はないのだ、と思うことにして、夜ご飯を食べてホテルへ戻る。


 けっきょく、金運のフクロウは、翌朝執念で探し出し、名産のマスタードも買った。一軒、ワインショップにも寄ったら、マダムがいろいろ勧めてくれて「この生産者は**と言って、ここにも登場するんですよ」と見せてくれたのが、コミック『神の雫』だった。フランスのワインを紹介したとして料理本の賞を受賞したと、フランス語の料理雑誌でも見たことがある。日本人としては嬉しいような恥ずかしいような、なんか複雑な気持ち。

 最終日はひたすら帰途。途中、ナンシーでお昼ご飯。ここも都会でおおきな建物が多いけれど、アールデコの金属装飾がきれいな私の好みの建物がたくさんでとても嬉しい。夫は名物のミラベルのタルトを食べようと思っていたのだが、またまた天気が悪いので、歩き回ることができない。お昼のあとは、また本屋を流しただけで帰る。


 天気が悪い悪いと思っているベルギーよりも、ブルゴーニュの方が天気が悪いね――などと言っていたはずが、国境を越えたら、この悪天候の旅のうちでも、もっともというくらいに激しい風雨に見舞われ、やはりベルギーの実力を見た思い。


 なんだか、子供が不機嫌だなあと思っていたら、発熱していたことに帰宅して気づく。今回は、彼女にとっては面白いことは(メリーゴーラウンドのはしごくらいしか)ない旅だった上、小雨の中を連れ回して、無理させたかとかわいそうな気持ちになる。この間開拓?した医者が開院時間を公開せず予約のみなので、そこに電話して、その日のうちに診てもらえた。のどの炎症からくる熱で、インフルエンザではないと思うと言われ一応安心。しばらく幼稚園も水泳教室も休みなうえ、天気も悪いのだから、ゆっくり過ごそう。


※どうも画像を入れるとフォント他の設定が動いてしまい、うまくいかない……。二番目の紅葉がシメイ、ラストの赤い放水栓のある写真がモンラッシェ。ほかはボーヌ。

2 件のコメント:

Asako さんのコメント...

またまた羨ましいご旅行ですな。
今日はこちらもお天気が悪いので、ご旅行の気分をなんだか満喫しています。
お酒が飲めるというのも羨ましい(私はあまり飲めないので、ワインテイスティングでさえ、思いっきり酔っぱらう)。

今日初めて気づいたのですがもう一つブログあったんですねえ。しかも、8月なんて皆勤賞ではありませんか(読んでないけど)。

ではまた…。

Amsel さんのコメント...

すっかりご無沙汰してしまいました。もう一つの方の食べ物ブログは、こっちと違って「内容ともかく、毎日更新」を心がけているのです。そっちにはちょっと書いたけど、インフルエンザで倒れてます。私はそろそろ復活です。