2009年10月1日木曜日

ノンフィクション絵本のこと

 子供が私のところに送られてきた漫画ばかり読んでいるので、夫が嫌がっている。まあねえ、『あずまんが大王』読んでる五歳児っていうのもね……。でも、私はこうして本を送ってもらえているけど、子供の本は、日本以来ほとんど増えてなくてかわいそうといえばかわいそう。ときどき、フランス語の本も買ってやるけど、そろそろ子供の年齢に合ったものと、私が読んでやれる子供も理解できる本とのレベルに差がついてきてしまっている。
 五歳の頃の私は、何を読んでいたか、つらつら考えてみると、今でこそ文学少女上がり(あるいは文学少女崩れ?)な振りをしている私だが、幼稚園から小学生にかけては、図鑑あるいは理系ノンフィクションばかり読んでいた。当時、父親が定期購読していた中央公論社の『自然』も毎月読んでいた。バイオ技術等、まだ科学が希望を持っていた時代だったのだろう。小学校の終わりには『NEWTON』も創刊した。高校時代、数学の壁に阻まれて以降の私を知る人には、驚かれるだろうけれど、将来は科学者になるのだと思っていた頃もあったのだ。

 よし! うちの子供に足りないのはその分野だ! と立ち上がるが、図鑑――ベルギーにいて、日本の図鑑を与えるのも違う気がするし、かといって、フランス語の図鑑では、将来や世界に思いを馳せる糧(大げさな表現だが)にはならない気がする。まずは無難にノンフィクション絵本あたりからか。
 書店で、そのコーナーを流す。『Bonne nuit!』という本があって子供に読んでやる。ご飯は何時、寝るのは何時――といった子供の夜の習慣から、夜はどうして出来るのか(地球の自転の説明)、動物たちの夜、夜働く人たち(空港など)などなどが描かれている。そして、最後は子供の朝の習慣――起きて顔を洗って、幼稚園に出かけるまで――で終わる。
 そうそう、こういうの、こういうので良いんですよ! 普遍性がありそうで、子供も漠然と判ってるけど、まだまだという感のある季節をテーマにした本を買う。ノンフィクションコーナーはやっぱり楽しいなあ。自分用に樹木の小図鑑も買ってしまった。
 そして、年長クラスになったら、クラスに本がたくさんあることもわかったので、もうフランス語の本を買うのはやめようと決める。

 さてじゃあ、日本の本をどう与えるか。
 以前、いただいた安野光雅氏の『はじめてであうすうがくのほん』シリーズをまた読ませてみる。送っていただいてすぐよりも、だいぶ成長して理解できるようになってきた。読物としても面白いので、もともと、子供も好きなのだが、絵を見ながら、勝手に自分で話を作ったりして、やはりこいつの頭は文系仕様なのだなあと思わされる。
 デュッセルドルフの日本語書店でも子供の本を見てみるが、やはり読物中心で、ノンフィクションは少ない。福音館のホームページに行ってみると、月刊誌を海外でも定期購読できるというので、申し込むことにする。『かがくのとも』と『おおきなポケット』で迷うが、雑誌色の強い『おおきなポケット』を申し込む。船便で、送料も安いのがありがたいが、まだこれは一回目も手元に届いていない。

 そのうち、そうだ、かこさとし氏なのでは!? と気づく。住まいとはなにか――を描いていて、とても好きだった本があったっけ。さらに調べてそれは『あなたのいえ わたしのいえ』であるとわかる。夫は、かこさとし氏は『たいふう』だ、という。その本にも記憶があるので、母親にメイルして、私の読んでいたそれらがあったら、送ってくれるように頼む。母親も元司書教諭なので、こういう話にはすぐ乗ってくる。私の記憶の中で『あなたのいえ わたしのいえ』とごっちゃになっていた『でんとうがつくまで』もあるという。が、確かにあるはずの『たいふう』と『かわ』はないという。まだまだ捜索は続けると言うが、そのあたりで発掘された『かがくのとも』をいったんまとめて送ってもらうことにした。

 こうして、もう日焼けして汚くなった『あなたのいえ わたしのいえ』『でんとうがつくまで』、のほか、安野光雅氏『かずくらべ』、絵が薮内正幸氏の『こうていぺんぎん』、『たべられるしょくぶつ』が届く。そうそう、『たべられるしょくぶつ』も大好きでよく読んだものだ、と思うけど、奥付を見ると、みんな1969年-70年刊行なので、これは兄のものだったのだろうか。40年も前のノンフィクション――と思うが、これらは根幹的なことを描いているので、意外に古びていない。発電の仕組みにしても、原子力もふくめたいろいろが示されている。もちろん、家の中にある「電気を使うもの」にはPCは出てこないわけだけれど、それは枝葉の部分だろう。
 子供はやはり、かこさとし氏の絵本にまず反応する。『たべられるしょくぶつ』『こうていぺんぎん』は絵がリアルだからか、あまり興味を示さない。
 また、小学校にはいる前にと、珍しく母親が、アンパンマンの文字と数字のドリルも入れている。ははははは、彼女も孫相手だと、ずいぶん軟化するものだ。

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