2009年9月29日火曜日

公共交通機関のこと

 ブリュッセルは、ドイツとは違うところが多く、フランスに似ている――と思うが、ボンと同じで、パリと全く違うところがある。それは、市の公共交通機関の乗り方。
 ボンやその他ドイツの都市と、ブリュッセル、あと、経験ではイタリアもそうだったと思うけれど――には、基本的には、「改札口」というものがない。切符を買って、電車(やバス)に乗り込んで、そこで打刻する。その時間から1時間とか、1時間半とか、時間内なら、乗り換えも、往復も可。ボンでは、一度打刻したら、それを提示すれば良かったし、ブリュッセルでは、時間内なら、何度機械に通しても「transit」扱いになるので、かならず、乗り換えのときには機械に通す。検札のときに、チケット、あるいは打刻がないと罰金になる。
 つまり、逆にいえば検札に運良く会わなければ、いくらでもただ乗りし放題――ということでもある。

 ボンでもブリュッセルでも、検札員は、目立つ格好をして乗り込んでくるので、見えてから、急に打刻する人もいる。もちろん、人を罰するのが目的ではなく、着実に払わせるのが目的だ――ということでは正しいのかもしれないが、ボンの長い地下鉄の場合で、検札している間にどんどん隣の車両に移ったり、停車すれば降りてしまう人たちを何度か目撃した。
 そして、ここブリュッセル――。暮らし始めて一年以上経つのだが、いまのところ、二回しか検札に遭遇していない。もちろん、主婦が住宅地と都心とを往復する路線/時間帯は緩いということかもしれないが……。また、トラムとバスには、打刻機が、車内にあるのだが、地下鉄だけはホームの外(だいたいコンコースで、フロアすら違う)にあるため、電車が近づいてくる! と駆け込むと、打刻の機会を失う(いや……確実に打刻して、ちゃんと次のに乗れば良いのでしょうが、どうも性格上、飛び乗ってしまうので……)。どきどきしながら乗っていると、結局検札は来ない。
 払わなくても払っても、なんとなく釈然としない気持ちが残る。

 ブリュッセルでは、今、ICの電子チケットに移行しようとしているので、きっちり運賃に差をつけている。1回、1時間以内の使用の料金が――
*車内では1回券しか買えず、2ユーロ
*乗る前に買えば、1回券1.7ユーロ
*古いタイプの紙の回数券10回で12.3ユーロ
*電子チケットにチャージする回数券10回で11.2ユーロ。
 私が使っているのは、この電子チケット。suicaやpasmoと同じで、定期券機能を乗せることもできる。電子チケットを作るためには、住民IDでの登録が必要で、写真も必要なので、ある意味、敷居が高いのかもしれない。チャージは自販機で銀行のカード(デビットカードとしての使用)あるいは小銭。紙幣ではチャージできない。私が作った当初は、チャージできる有人窓口が少なかったし、自販機もない駅も多い。私の家の最寄りトラム駅にもない。

 さて先日、乗ってから、回数券が切れていることに気づく。打刻機で残高が確認できないのも、このブリュッセルのICチケットの欠点だと思う。自販機では確認できるし、紙の回数券だと紙に印刷されるので、視認できるのだが……。しょうがないので、2ユーロ払って乗る。帰りの駅では、自販機がないので、ええい、短いから大丈夫! と無賃乗車。検札、来るなら来てみろ、「チケットは持ってるのよ、チャージしたかったんだけどさ、今の駅、自販機ないじゃない?」と言ってやろう! とこういうときだけがんばってフランス語で文章を作ってみるが、来ず。
 そして昨日、出先の駅の自販機でチャージしようとして小銭が足りないことに気づく。一駅分歩いて、買い物をしがてら紙幣を崩す。その駅から乗ろうとすると、大きめの駅なのに、自販機がない。しょうがないので、そこからまた無賃乗車して(いや、その先の乗り換えで打刻するし、この片道まるまる一時間以内に収まるから! という言い訳はあります……)大きなターミナル駅に出て、自販機でチャージしようと思ったら、小銭使用不可状態。
 そこの有人窓口では、チャージできると言うので、してもらう。ところが、打刻機が反応しない。また戻って、これダメだよ、と言ってみたけど、機械上は入金履歴がはいっているので(端末を見せてくれた)、それ以上どうしようもないというので、また戻って、やるが反応しない。自販機で履歴を見ると、なぜか、そこでもチャージされている記録ははいっている。
 打刻機じたいの問題かもしれないと思ったが、その駅に三台ある機械のどれでも反応しないので、また窓口へ戻る。怒ってみせたら、係員が出てきて、一緒にやってくれたけど、とうぜん機械は反応せず。係員が、「今から一時間以内なら、問題ないから、このまま乗れ!」と言う。入金の時間が記録されているわけだから、大丈夫ということか。えー!! でも、検札の人にはその理屈、通じないかもしれないじゃん! 頭の中で必死で「駅でチャージまでしました。打刻機が機能してませんでした。駅の人は問題ないって言いました」と文章を作る。検札さえ来なければ、今日の分はまるまるもうけ、と自分に言い聞かせて、精神の安定を保ちながらそのまま乗って帰ってきた。とうぜん検札なんて来なかったけど、うーん、どんどん、この「ちゃんと払っても払わなくても釈然としない気持ち」が募ってゆくな……。

 しかし、ちゃんとチャージした時からの乗った回数を意識して、つねに前倒しでチャージするような習慣がつけられる人だったら、きっとこんなストレスは感じないのであろう。まだまだ私も未熟ですな!

追記:このあと、都心に出たときに回数券は普通に打刻機に通りました。うーん、それはそれで良かったけど、あのときのいらいらはなんだったんだろう……。

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