2009年7月31日金曜日

定期券のこと

 水曜日、買い物に出かけようと、トラムに乗り込んだら、回数券を入れた定期入れがない。その日は、紙の回数券を買って出かけたが、帰ってきてゆっくり探してみても見つからない。
 最後に使った日は――と記憶を辿ると、月曜日、遠くのマルシェまで行って、体調が悪くなって、中間点の夫の職場で休んだりしつつ、帰ってきた日だと思い出す。あの日、最後にトラムに乗ったときには確かにあった。だが、なにせ体調が悪かったので、記憶が曖昧、もうろうとしている。
 今、私は、suicaやpasmoと同じような非接触型 icカードの回数券を使っている。回数券とはいえ、記名式なので、ちょっと不安になって、市の交通局のサイトを見てみると、やはり、手続きをして古いやつの方を止めた方が良いらしい。そうしておけば、再発行しても、残高が引き継げるし(といっても、回数券だしたいした金額ではないのだが)。サイトからいけるはずなのだが、どうにもうまくいかない。そこでまだ数少ない、その、電気式の回数券を扱っている駅を検索し、ちょうど買い物に便利なポイント駅にあることが判ったので、バーゲン最終駆け込みをかねて翌木曜日に出かけて行った。
 すごくすごく窓口で待たされたのに、いざ、私の番になって、住民IDで検索してもらうと、買った駅に行け、と言われる。「Port de Namurで買ったんでしょう」。それが判るくらいなら、ここでも手続きできるようにしてくれれば良いのにな……、と思うがしょうがない。こまごまとした必要な買い物を済ませ(服のバーゲンと、目星をつけていた昼飯はあきらめて)、そっちへ移動する。また、IDで検索して、なにか、私の名前や番号を書き取ったメモを作ってくれる。それと、IDを持って、次はなんとかかんとかに行け、と言われるが、「trouvée」しか聞き取れない。それは、発見した、という意味だと思うが、まるで判らないでいたら、別の人を呼んでくれ、案内してくれた。そこは、「obejet trouvée」。遺失物取り扱い室だった。つまり、Lost&foundだったわけですね。私の定期入れが、拾われて戻ってきていたのだった。めでたしめでたし――そうだ、日本でも届けられた定期は発売駅に戻るんだっけ。これで、ブリュッセルの車内忘れ物の行き先は判ったので安心だ!(安心しないで予防しろ!)。

 私は、すぐ物をなくすが、けっこう戻ってくることが多い。一番よくなくしていた大学生の頃、どこで何をなくしたら、どこに連絡すれば良い、というのを熟知していて、人にも教えたりしたものだったが、もうさすがにだいぶ忘れてしまった。
 一番なくすのは、やはり定期。勤め始めてからしばらくは、会社で一括購入して配布してもらっていたので、私が「なくした? でも会社の席と自宅と、あと、服とか鞄とか、もう一度チェックしよう」などとだらだらと考えていると、総務から電話が鳴って「定期なくしたでしょう、今、駅から連絡があったよ」と言われたこともなんどかあった。
 そうそう、結婚前、実家から通っていたときは、半年定期が13万円もして、それを一度なくして、自費で買いなおしたことがあった。このときは、その後、コートをクリーニングに出そうとしてよくよく見たら、ポケットが壊れていて、表地と裏地の間のところに、入り込んでいる定期入れが発掘された――というオチがついたんだった。その後結婚して、都心に住み、半年定期が3万円強になって安心したものだ(安心しないで予防しろ!)。

 ところで、こっちの遺失物室は、手数料を取るのだった。3ユーロ。回数券の残高を考えたら、むしろ引き取らない方が、ましかと思ったくらいだけど、この定期入れには勤め時代最後の定期も入っている。当時の自宅と勤務先の最寄り駅が印字された定期を見ると、いろいろなことが忍ばれて懐かしい気持ちになる。会社を辞めたのは、ちょうど去年の7月末日。あれから一年、長かったような短かったような。

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