2009年7月1日水曜日

年度末のこと

 6月で幼稚園の一年は終わり。最後の週は月火二日だけなのに、月曜日をボンで過ごすことにして、あと一日行ったら、お休みだよ、と子供には言っていた。
 さて、金曜日に、休みの予告をしてこなかったので、月曜朝、幼稚園に電話を入れる。留守電になっているが、朝の幼稚園は忙しくて、なかなか人が出てくれないのはいつものこと。いつもは、誰か出るまでならし続けるが、今回は、留守電に休む連絡をいれて切る。
 その後、見慣れない電話番号から、携帯に連絡が入るが、この番号を知らせているのは夫と大家だけ(寂しい人間関係である)。怪しいので、放置しておいたら、また同じ番号から電話がかかってきた。番号から、ベルギーの携帯と分かるので、出てみると、同じクラスの日本人の母親だった。そういえば、前に、このお家でお誕生会に招かれたときに、私からかけたから、番号はばれていたんだった。
 今、担任から電話があって~と切り出す彼女に、ああ、休みのことかと、早合点してそう話すと、「いえいえ、火事のことは知ってますよね?」。いえ、知りません、なんですか? それ。

 金曜日の夜、幼稚園が火事になり、といっても、全焼とかではないのだが、保育が出来る状態ではないので、月火と休みにする。絵とか、今年度のクラスでの作品を返すので、とりにこられたし、ちなみに担任は明日の午後、いる予定である――とのことだった。最後の二日間がこんなことでなくなってしまうなんて! とにわかに惜しい気持ちになるが、こっちはとくに終業式や卒業式のたぐいもなく、淡々とした普通の一日のはず。

 30日、担任がいるという時間帯に幼稚園に子供と行く。外に貼紙があって、金曜の夜に火事があり、「子供たちの安全と電気系統の修復のため」この月火は休むとある。玄関ホールに非常勤の先生がいて、担任は中庭にいると教えてくれる。ほかの親子もちらほら来ていて、担任の先生と話している。しばらく子供を遊ばせてから、二人で、建物の中に入ってみた。廊下は電気も落としてあり、とても焦げ臭いが、火元だったというウサギ小屋は、意外に焼けてなく、水浸しとはいえ、わらも健在。ウサギもきっと生きているだろうと思うことにした。そして担任に挨拶。ありがとうとか、良い休暇を!くらいしか出てこないのが悲しいが、なに、日本にいたって、こういうときに如才なく話せる人間ではない。最後に子供に「ma cheri!」(私のかわいい子)と呼びかけて、キスしてくれた。

 家に帰ると、前に、幼稚園で種を植えて持って帰ってきた鉢が、やっと咲いていた。留守も多く、ここに来て日が強くて、葉は焼けて落ちてしまったけれど、ゼニアオイ(と思われる)ピンクのかわいい花に子供も喜んでいた。
 夜になって、夫も帰ってきたところで作品解説をしてもらう。描いたときのことを思い出すのか、説明は、かなりフランス語になってしまう。中に一冊「人物画の成長」というようなノートが入っていた。ページごとに「9月」「10月」……とあって、人の絵を描かせてある。最初のページに、「この一冊の中のひと月ごとの10の絵、そして、学年ごとに子供の成長を感じるでしょう」と書かれ、それぞれの学年での達成目標が描いてある。うちの子の、年中組では、垂直に人物像を描くことができる/服やボタンを描くことができる/人物像のディテイル、それぞれの数、服、髪などを描くことができるだそうだ。最初、ぱらぱらと見たときはあまり成長は感じられないなあと思ったものだが、この目標を見ると、途中から首が発生したり、がんばって指を5本描こうとしている気配が見られる。
 むしろ成長が感じられるのは、毎月の遠足の絵。あまりにも余裕のなかった最初の10月から、どんどんと余裕が出てきてのびのびと描いているのが感じられる。
 また、同じ袋に、最後の遠足の写真が入っていた。ポニーと聞いていたのだが、立派なちゃんとした馬に、鞍を置いて乗馬帽をかぶってまたがっている。緊張しているのか、顔が少しこわばっているのがおかしい。動物はけっこう怖がるので、こういう団体で行かないと、触ることも出来なかっただろう。いやいや、悪運強く行かれて良かった。

 なにはともあれ、ほぼ1年、無事に通うことができて、最初のあのつらい日々が、笑い話になる日が来て本当に良かった。そしてこれから長い長い2ヶ月の夏休み。はー…………。

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