2009年6月16日火曜日

果物のこと

 うちの子供は果物が大好きである。「一番好きなのはメロンかな?」と聞くと「あと、ぶどうとサクランボ!」と答えてくる。メロンは5月には南仏のものが出てくるので(それまでも南半球のものを売っているが)、買うととても喜んでたくさん食べる。これ以上食べたら、もうかなぶんだ! と言われつつ、皮の縁までほじって食べている。一方、私は果物全般あまり好きでなく、メロンはかなり嫌いな方。健康を考えると、私こそ食べた方が良いのだろうとは思うが……。
 夫は、子供に手をかけてやるたちなので、サクランボはちゃんと種を外して食べさせているが、私は、めんどうなので、ちゃっと洗って、そのままお皿に載せ、手を拭くキッチンペーパーを添えて渡してやったら、ちゃんと食べ終わった種は紙に包んで、皿と台所に下げてきた。親もちゃんとしてないのに――と褒めてやった(子供に礼儀作法、行儀のたぐいを仕込んだのはすべて保育園です)。

 ヨーロッパの方が、日本より果物好きなのか、あるいは豊富なのか、季節が良くなってくると、マルシェにもイチゴなどのベリー類、サクランボの専門の屋台が出て、大量に売っている。買う方も箱で買って行く。積極的に試食させてくれるのに子供が釣られてしまい、一緒に行くとどんどん買わされてしまう。
 ブルーベリーなど日本でもよく見る果物も多いが、日本訳としては「すぐり」らしいがドイツでJohanesbeerenと呼ばれるもの、フランスでmirabelというものなどなど、珍しいものも多い。
 サクランボは、ダークチェリーが主だが、この間、佐藤錦のような淡い色合いのものも見た。夫の田舎が山形で、毎年送ってくれていたが、さすがにこっちまでは送れない。ドイツ時代、大家さんの家にサクランボの樹があって、季節には持ってきてくれた。ある年、ちょうど、私の親が来ているときで、とても喜んだ覚えがある。親は、そういえば果物が好きだった。
 私も好きな桃には、平たい形のものがあって、先日、ちょうど試食させてもらえたので、もらってみたら、白桃で、日本のものに近い味だったので買ってきた。平たくて中心が上下くぼんでいて赤血球のような形をしている(あまり美味しそうなたとえではない)。かなり小さめで、二つくらい食べられる。普通の桃の形のものは黄桃が一般的らしい。

 先日、水曜日は幼稚園のすぐそばのマルシェの日なので、子供を送り届けたあと、買い物をしていたら、幼児の集団のぴよぴよとも聞こえるような高い細い声が聞こえてきた。見ると、知った顔も多く、幼稚園の子供の学年の集団だと分かる。そばに寄ってくると、周りの子供たちが、私を見つけて「Maman de N!」と口々に叫んでいるが、肝心のうちのは、ぼーっと野菜などを眺めていて、私が頭をはたくまで気づかなかった。二人ずつ手をつながせて、親と一緒にいるときには考えられないくらいおとなしく、列を乱さず歩いている。60人くらいの子供に対し、大人は3人なのに、さすがに集団行動は違うということなのか。しばらくしてまた見たら、その列は、マルシェを出てつつがなく道を横断し、幼稚園へと帰って行くところだった。
 日本の保育園時代にも、外に連れ出すのが好きな担任だったこともあり、近所の公園によく出かけて行った話は聞いていたが、当然、その頃は働いていたし、その姿を見ることはできなかったので、なかなか面白いものを見た。
 迎えに行って、「今日マルシェで会ったな!」と言うと「fraiseとcerise食べた!」と興奮している。担任にも「今日……マルシェ……」と話しかけてみると、「会いましたね! イチゴとサクランボを買って戻ってきておやつにしたのです。彼女もたくさん食べましたよ!」とのこと。子供も先生も楽しそうに話すので、こっちも楽しい気持ちになってきた。買い食いは、日本の保育園ではやってなかったな――衛生のことや、個人のアレルギーや嗜好、お金のことを考えると、いろいろ難しいのだとは思う。

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