2009年6月3日水曜日

旬の野菜のこと

 またヨーロッパで暮らすことになって楽しみにしていた食材の一つが「ホワイトアスパラ」。日本でも、会社のそばにホワイトアスパラを得意として、このシーズンにはスペシャルメニューの登場するレストランもあったし、北海道から取り寄せたりもしていたが、やはり、ドイツ時代に食べていたホワイトアスパラは美味しかった(し、安かった)。

 ドイツの人たちは、本当にアスパラが大好きで、たくさん作るために、アスパラ農家には税制上の優遇があるという話も聞いたことがある。季節になると、市場店頭にはたくさん並び、「**産」「朝穫り」「農家直売」などなどと書いて、大声で呼びかけて、売っている。住んでいたボンの近郊には有名な産地があって、そこの地名の付いたのは高く売られていた。ランクがいくつかあって、一番不揃いだったり、割れたりしているのは「スープ用」。kg単位で売られていて、まわりは「2kg!」なんて買っている。私も半kg買っていた。
 もちろん、ゆでてオランデーズソースで食べるのが一番だけど、ドイツの知人に、家庭で作るオムレツのレシピも教わった。柔らかめにゆでて、半分を一口大に切り、もう半分は形がなくなるまでハンドミキサーでつぶし、そこへ卵を加えてさらに泡立てるように混ぜる。その卵液をフライパンに流し込み、とっておいたアスパラを中に巻き込みながら焼く。卵の部分にも苦甘いアスパラの風味が移って、とても美味しい。安めの不揃いなものでもできるのが利点で、日本の高いアスパラで作る気にはなれなかった。ずっと食べていないなつかしい味。
 レストランでは「Spargelzeit kommt!(シーズン到来)」と書いた看板が立つ。敷地内に畑を作ってあって、料理する直前に収穫することを売りにしている店もあった。前菜にゆでてソースがけ、スープ、主食の付け合わせももちろんアスパラ――。
 こうして2ヶ月くらいの旬の間、「狂ったように」食べ続ける。

 ブリュッセルの近郊にも有名な産地があるというし、期待してきたのだけれど、こっちの人たちは、そこまで情熱的ではない。市場でも並び始めて、産地も明記してあったりするけれど、野菜としては高いせいか、あまり買っている人もいない。何度か買ってゆでて食べてみたけど、記憶の中で美化されているせいか、ドイツの方が美味しかったような……。子供も嫌うので、食べなくなってしまった。

 代わりに浮上してきた(?)のがグリンピース(プチ・ポワ)。日本のものより薄皮が柔らかくて、甘みも香りも強い。やっぱりkg売りしているので、半kg買ってくる。ただゆでて、薄めの麺つゆくらいに仕立てた出汁につけ込んで、冷えたところをスプーンですくって食べるのも良し、バター風味で洋風にするも良し。鴨やラムをタマネギにんじんと焼き付けておいたところに、大量に投入して蒸し煮にして食べると、肉の出汁が移って美味しい。トマトベースのラムの煮込み「ナヴァラン風」を、この季節はあっさり生トマトで煮込んで、グリンピースを入れるのも美味しい。

 と、市場に行くたび買ってきて、毎日毎日食べていたら、さすがに子供が最初に音を上げた。もう嫌い! と言って、わざわざミートローフからほじりだして残したりした。うーん、両親はまだまだ毎日でも行けるんだけどな……。それに弁当には便利なのに……。いや、やはり旬だからといって、過ぎたるは……ってことですね。

 そして、次は、空豆の旬がやってくる。枝豆はないけれど。

0 件のコメント: