2009年6月23日火曜日

1980年代のこと

 有料なこととか、開館時間の短さとか、いろいろ、文句付けましたが、次の火曜日にも、今度は、子供が幼稚園に行っている隙に、一人でメディアテークに行って参りました。借りてしまうと返しに行かなくちゃ行けないし、返しに行くと、やっぱりまた借りてしまうもの。恐怖の永久運動なり。

 まずは、映画コーナーをざっと流す。日本の映画は、宮崎駿/押井守/北野武が圧倒的に多い。もちろん、ほかにも『リング』などヒットしたものは単発でいろいろ来ているけれど……。松本大洋の『鉄コン筋クリート』を借りようかと思ったが、今日は、子供に『魔女の宅急便』を借りることにして自粛。つい、買うのと同じ感覚で、あれもこれもと思ってしまうけど、借りるときは、一週間でちゃんと見られる量にしないといけない(当たり前)。
 次に、DVDは高いけどCDなら安かったはず、とCDコーナーを流す。ぜったいあると思っていた、Anne Sofie von Otterの『Offenbach Gala』がなくて、クラシックコーナーを出て、Pops&Rockの棚へ。
 買ってないU2の新譜もあったので、借りようかとも思ったが、新旧が雑多に置かれている棚を見ているうちに、「そーだ、今聴けば、ワム!やデュラン・デュランって格好良いんじゃない?」と思いつく。今、私の中では『カリオストロの城』でいっきに1982-83年ブームがやってきている。日本でも『1Q84』が売れていると言うし、1980年代前半が、今、良いのでは!(すみません……『Q』は未読ですが、そういう話ではないと思います……)。

 というわけで借りてきた『The best of Wham!』『Greatest』(デュラン・デュラン)。子供が寝てから、夜、こっそりかけてみる。
 夫も私も、ワム!では、『Wake me up befere you go-go』が一番好き。歌詞を見てみたら、歌詞にもバカっぽい単語が並んでいて、いや〜、いいですね! アイドル歌謡! と思ったけれど、よくよく読んでみると、この「My best friend told me what you did last night」って、太宰治『富嶽百景』の「ある人から意外の事実を告げられ」なんじゃ?(太宰は決して好きではないが、あの文章のリズム、とくにこの『富嶽百景』冒頭の一節は大好きで、高校時代は諳んじていたものでした。暗すぎる……)意外に切ない? だとしたら、あの邦題の「ウキウキ」ってどうなの? その後、PVも見たくなって動画検索してみたところ……はい、このPV……「ウキウキ」で良いです……。
 好みはともかく一番売れたのは『Freedom』では?と調べてみたけれど、実は、売り上げも『Wake me up befere you go-go』のほうが上ということもわかる。じゃあ、デュラン・デュランは? 一番売れたのは、私は『Is there something I should know?』夫は『Hangry like the wolf』と予想したけれど、『Reflex』らしい。

 ビルボードの年間ランキングを見ていると、私の洋楽歴は1983年に始まって、1987年あたりで終わることが分かる。中学三年から高校三年。1983年は、その後、私がずっと好きな、Policeの『見つめていたい』Eurythmics『Sweet dreams』も出た年。
 そして、同じ1983年だと思っていた『カリオストロの城』は1979年公開だそう。明確に83年に見たり、話題になったりした記憶があるので、ちょっと違和感を感じる。クラスの男子が「クラリス〜」とか言っていた映像的記憶もしっかりあるし。でもよくよく考えてみると、中学生の時、劇場でなんかめったに映画は見られなかったから、きっと、私も、みんなもテレビで見たんだろうなあ。
 当時は、DVDで見たいときに見る、なんてなかったし、CDも買うまでに、FMとかの新曲情報でじっくり聴いて、貸してくれそうな人を探して――としていたから、音楽や映画は、その「時」の記憶と密接に結びついている。話した相手、その時の景色(世界史の授業で筆談していたとか)、記憶がどんどんよみがえってくる。今の、なんでも調べやすい、「新しい」でないものも、平等に手に入れやすいこの便利さを失いたくはないけれど、この「今」「ここ」の周辺までも記憶するあの感じは、もう持てないのだろうと思う。それって、でも、記憶力が低下しているだけだったり?

 さて、肝心の「今聴けば、格好良いんじゃ?」ですが……。メロディラインは良いんですけど、音がどうも……。夫は「ギターの技術が今と違う! コードがどうたら、カッティングのいれ方がなんたら」とごちゃごちゃ言ってましたがよくわかりません(というか、ちゃんと聞いていない)。それでも、Macに読み込んで、洗濯物を干しながらかけたりしている。中学三年のときのあの暗くて赤い階段を思い出したりしながら。

追記:これを書いて5日と経たないうちに、マイケル・ジャクソンが死んでしまった。売れ方的にも、音楽以外での話題にも、「好き」と言いにくい人になってしまったが、『Beat it』『Thriller』のPVの衝撃は忘れられない。あの格好よい『Beat it』のギターはエディ・ヴァン・ヘイレンだったんですね。

4 件のコメント:

Asako さんのコメント...

先週の発熱といい、突如襲った80’sブームといい、時を一にして同じことが起きているとはどういうことだろう?(あ、私の発熱は先々週でした。)

私は80年代の音楽ははすべてレンタルレコード屋さんやお友達・兄のお世話になっていたので、よほど借りられなかったもの以外CDを持っていないのですが、突然月曜日に、80'sものを車に積んで車の中で聴いています。便利なのが2000年ごろの映画「The Wedding Singer」のサントラで、自分のお気に入りは入っていないけど、時代を感じる歌が満載です。(でも80年代後半モノです。)

今は、もちろん、記憶力の低下もあるのでしょうが、おっしゃる通り、そのひとつの音楽のために費したいろいろな思いや行動が本当にすごいものね。密度が。しかも、思春期の締め付けられるような切望感みたいのが記憶についてまわっているから余計に感情が濃い思い出なのだと思う。

「階段」で反応せざるを得なかったです。

Amsel さんのコメント...

やっぱり、ほかにも、1984年前後ブームがいたんだ! 本の話題から、サブリミナルで――とか? あの本から派生して売れているのはヤナーチェクだというけれど。

私も、高校時代はもっぱらレンタルでした。買いもしないのに、地元レコード屋には良く行ったりしたけど。この間、帰国時にそのレコード屋に行こうとしたら、ずいぶん違うところに引っ越していてびっくりでした。すっかり、「サザンの聖地」になってて、私が行っていた頃の、洋楽得意な感じはなくなってたけど。

 赤い階段、三年生しか入れないやつね(ふふふ)。あの頃は、違うクラスの友達と、そこで洋楽の話をしていた。デュラン・デュランファンだったなあ。

Asako さんのコメント...

マイケル・ジャクソンが亡くなりましたね。

今朝聞いた時涙が出てきました。別に取り立てて好きだったわけではなくて、もっと自己中な理由です。洋楽が好きになってから、中・高・大学、と、彼はずっといたので(見る番組とか、聴くラジオとかで)、やっぱり一時代が、本当に過ぎ去ってしまったというか、そういう感慨のようなものでしょうか。

しかし一日中そのニュースをやっているので、世界にとっても重要な人だったのですなあ。

ちなみに、上記レコード屋って、潰れたんだと思っていたけど、まだあるのですね。意外。このご時世、ああいうお店が生き残れるのって、なんだか嬉しいことですね。

Amsel さんのコメント...

訃報は、こっちは夜見ました。最初は、病院搬送ってことで、イギリス、アメリカ、ドイツ、どの国も、あのロサンゼルスの病院の映像流してました。『Beat it』以下、あの一連の曲も1983年だったので、つい最近、PV見たばかりで、すごく驚きました。