2009年5月11日月曜日

刑事コロンボのこと

『よつばと!』でフランス語会話を勉強! といっても、やはり文字媒体なので、ヒアリングがまったくできるようにならないのだった。こっちはDVDソフトも安いし、なにか映画でも見るか……どうせならフランス映画! と思ったのだが、はて、フランス映画、見てわかるのかしら? 言葉がわからないのか、話が分からないのか区別がつかないんじゃないかしら? と躊躇してしまう。
 思い出してみると、ドイツ時代、テレビドラマで話が分かったのは、刑事物のみ。ミステリだから、落ちがはっきりしてるし、キャラクタもレギュラーの5人チームがボス/ひたすら熱い熱血漢/理性的な男性/紅一点/あたらし物好きの若者とすごく分かりやすかった。やっぱりここはミステリあたりから入った方がよいだろう。
 と、なんと、家の近くの店で、「刑事コロンボ」のボックスの安売りを始めたではないか! 一緒に懐かしの「大草原の小さな家」ボックスも並べていたので、70年代のアメリカドラマを安くしていたのかもしれない。コロンボなら構造的にも倒叙ミステリーだから分かりやすいだろう。
 フランス語でわざわざアメリカドラマ――と思わないでもなかったが、堀江敏幸氏のエッセイにもフランス語の「刑事コロンボ」に(しかも、私の一番好きな「別れのワイン」に)触れたものがあるし――と、買うことにした。

「別れのワイン」の入っているシーズンは? と調べたところ、第三シーズンであることが分かる。念のため、wikipediaのフランス語版に切り替えて、仏タイトルも調べておく(「Quand le vin est tiré」というそうだ。ワインが引き出されたとき? 激しくネタばれな気がするのだが……)。そして、調子に乗ってタイトルが分からないけれど、シーンを記憶しているもののタイトルも調べてみたら、簡単に検索できてびっくり。便利な時代になったものです。
 たとえば、コロンボが、犯人をひっかけるために車をわざと不調にして修理に出させるのは「刑事コロンボ じゃがいも 排気管」で検索して「指輪の爪あと」。浮浪者と間違えられて、慈善団体に食べ物を恵んでもらったあげくに、トレンチコートを替えさせられそうになるのは「刑事コロンボ 慈善 浮浪者」→「逆転の構図」。

 音声も字幕もフランス語にして見たコロンボ。話は面白いし、なんとか字幕を見ながら追いかけることもできる。やっぱりどれもラストは鮮やかに凝って作っているし、当時は気づかなかったけど、ファッションもおしゃれ。海辺で若者がラジカセをかけて踊るところとか、時代を感じるところもあるけれど。
 ショックだったのは、日本では主題曲だと思っていたのが、ミステリーシリーズ全体の主題曲だったということ。ラストのクレジットロールに流れないので、寂しく感じて調べてみたら、そんな事実が。というわけで、当然、DVDには入っていない。この曲は、携帯の仕事関係からの着信音に登録していた、私にとっては特別な曲なのに。

 そして、楽しみにしていた「別れのワイン」、オールドミスの秘書が秘めた恋心を打ち明けるところを、子供の頃の私は純愛だと思っていたのだが、「うざい女」と思ってしまった。犯人が「彼女に打ち明けられて――」とコロンボに言う表情も苦いものを感じるし――。コロンボが記憶より若く見えることよりも歳を取ったことを実感したのだった。もちろん、その苦みがしんみりと胸に迫ってくるのだけれども。

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