2009年5月7日木曜日

プレモのこと

 プレモとは、正確にはプレイモービル。ドイツのプラスチックでできたレゴのようなおもちゃである。レゴと違うのは、レゴがブロック遊びの延長であるのに対して、プレモは、脚/腕/首の動く人形を使ったごっこ遊びの延長であること。いろいろなシチュエーションの人形と建物や大道具小道具のセットが売られている。男女比で言うと男子よりなのか、労働系(警官/郵便局など)、乗り物系(リアルな駅/空港など)が充実している。もちろん、お姫様シリーズもあるけれど……。その他、家も現代風/レトロ風があるし、農場や動物園といった動物ネタも豊富。
 私の周りに、プレモ好きの大人が何人かいたので、存在は知っていたし、ドイツ時代にはよく買って帰って感謝されたものだったが、私自身はさほど興味がなかった。むしろ、冷淡な受け答えをしていたように思う。

 先日、ボンに遊びに行ったとき、おもちゃ売り場で子供がシュタイフのテディベアを使って遊ぶのにはまってしまった。見ると、どうも腕や脚、顔が動かせて、挨拶させたり、お話しさせたりするのが楽しいらしい。見ると一体100ユーロ超。当然、買えない。動けなくなっている子供に「あああああ、じゃあ、いいものを教えてあげよう」とプレモゾーンに連れて行ったところ、すっかり心を奪われてしまった。そこで、「じゃあしょうがないから、一つ買ってあげるね!」と恩着せがましく言い、一番小さいユニットの一箱2ユーロ強のものを一つ買い与えて、おもちゃ売り場を去ることができた。
 子供が選んだのは、女の子と子やぎ二匹のセット。それに草やりんご、かご、哺乳瓶がついていて、それらは女の子の手に持たせることができる。腰と腕が動かせ、手首がまわせ、首がまわせる(しかも、不自然に後ろまで回ることはない)。ちょっとした動きだけで、とても表情が出ることに、見ていて私も驚いた。その日から、どっぷり子供はプレモワールドにはまってしまった。

 もらってきたカタログを見ながら、次はなにを買おうと考えていると、夫に「はまっているのはお前だ!」と嗤われてしまった。いや、なにをどう組み合わせて買えば無駄がないか見ているのだ! と反論。見事なくらい、どう買っても無駄が出るようにできている。家具でそろえると、家族のお父さんが余ったり。家族をそろえようとするといろいろ買わなくてはいけなかったり。
 でも、子供の遊び方を見ていると、ぬいぐるみとかのようにひとりひとりに名前をつけて個性を与えて――というよりは、俳優的に役割を与えていることが分かる。その時々で、お母さんになったり、おそば屋さんになったり、おばあちゃんになったり――などなど。なので、あまり気にせず買うことにしてしまった。
 誕生日プレゼントに、人形の家が欲しいと言っていたので、木のドールハウスを夫から、中で遊べるようにプレモのお母さん(洗濯機/掃除機つき)、お父さん(PCや書棚付き)を私が買った。このお母さんお父さんの家での役割分担は、政治的に不適切では? とフェミニズムなことを考えていたが、娘はお母さんをPCに向かわせている。私の姿を見ていてのことか……と思うとなにか複雑な気持ちが。
 イースター休みで実家に帰って、前に父親に買ってあげた郵便屋さんセットを奪い返してきたり、ちまちまと買い集めて、今は大人4人、子供5人になっている。

 子供が寝た後など、最後に遊んだ形で、プレモが視線を交わしていたり、手をつないでいたりしているのを見ると、なんだか本当に話し合っているように見えて、私も楽しくなってくる。やっぱりはまっているのは私なのか?

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