2009年3月27日金曜日

魚屋のこと

 カーニバルと、それに続いてまたボンに買い物旅行に行って、すっかりドイツ好きが復活してしまった私。これまで、夫がベルギー嫌い発言をしても、弁護に回る側だったのに……。

 でも、もちろんドイツ(というより10年前のボン)よりベルギー(今のブリュッセル)の良いところはたくさんある。そのうちの一つが、食材事情が良いことである。
 まず、日本食材は本当に良い。ボン時代には、日本米は、年に一度の私の一時帰国と、親が来るときに、まとめ買いしてそれを食いつないでいた。だいたい週一しか食べられなかったと思う。それがほぼ毎日、夜ご飯とお弁当に使えるようになった。その他、うどん/そばといった食材もかなり良くなっているし、業者が良心的なので、賞味期限を改竄して売っていたりということもない。

 そして魚。
 ドイツでは、魚を食べる習慣が北の方にしかなく、また、保たせるために薫製やら塩漬けやら加工してしまうので、ボンには生の魚の良いものを売っているところがなかった。鮭や、アンコウ、ニジマスがときどきあるくらいだった。が! ブリュッセルでは、普通に市場に新鮮な魚を売っている店が来ている。肉に比べて格段に高くつくが、冬場は、鱈、鯛、アンコウを買って鍋ばかりやっていた。

 あるとき、ネットで調べておいた生地屋(この生地屋さんも、広い店内に大量に生地があって、興奮なのだがまたそれは別の話)に初めて行ったとき、最寄りの駅から降りたら、やけに活気のある市が立っていた。見ると、一目でそれと分かるイスラム系の人ばかり。ちょっとびっくりしたが、生活感があり、活気があって、怖い感じがしない。市を抜けて、目指す生地屋に行く途中、ちょっと良さげな魚屋を発見して中に入っていると、ほかでは見ないアジやイワシといった青魚が大量に売られている。鯛なども丸のままで売られている。思わず興奮して眺めてしまったが、その日は買わずに帰って行った(肉の買い置きがあったのだと思う)。

 そして、次はその魚屋を目指してその駅に行った。前回と違う曜日に行ったので、市は立っておらず、魚屋も空いていた。フランス語で話しかけてくれたので、指で指してアジを買う。「トレトレボーン!」と言っていたが、確かに良い。アジは「ししゃ」というのだと習う。
 オーブンで塩焼きにして、味も合格。そしてものが良いのに安い。値段が肉並み(キロあたり10ユーロしない)である。うちは子供が魚(とくに青魚)好きなので、とてもうれしい。これからは魚はその店に通おうと決心した。

 次に行ったときは、つい、間違えて市の立つ曜日に行ってしまったので、とても混雑していた。私以外はみんなイスラム系で、なんだかよくわからない言葉が行き交っている。そもそも並んだりしないで、店員が「次は誰だ?」と聞くとさっと手を挙げて相手をしてもらうシステム。量もみんな大量に買って行く。私もサバを2と頼んだら(ヨーロッパではサバは小さめで食べる習慣がある)「2キロか?」と聞き返されたりした。さらに頭を落としてもらうよう頼んだら、手振りで「こう切るんだろ」と筒切りのようにするので、頼んだら、半身と骨まで切って、もう半身側はつながっていた。次の客もおなじ切り方だったので、それがポピュラーなのかな? でも、家に帰って鍋に入れるときに、切り離して筒切りにしてしまったけれど……。サバの味噌煮で大満足。

 と、まあこんなそんなで週一は通うようにしている。鯛を買ったときも、鱗を落として! というのを手振りで「こむさこむさ」と言って頼んだら、ちゃんとはらわたも出して、ひれもはさみで切ってくれたし、また魚をさばくところに客も入れるので、見て確認できて、とても満足なり。ブリュッセルのドイツよりも良いところ、のお話(魚――というのがどうかと思うけれど)。

2009年3月19日木曜日

カーニバルのこと

 ヨーロッパで冬の終わりを告げるのはカーニバル。ドイツでもパレードや仮装を中心としたお祭りはあったが、ここベルギーでは「変な」お祭りがたくさんある。ユネスコ文化遺産に指定されたものもある。基本的にはキリストの受難を前に飲み食いするという趣旨のお祭りなので(乱暴なまとめだが)、山車が出てパレードしながら、いろいろ撒く、というものが多い(ように思う)。日本の節分にかなり近いような気がする。撒くものはドイツでは駄菓子が多かったし、ベルギーはオレンジが多いらしい。今年は、ドイツではメインだったRosenmontagが2月23日。そこからの一週間は学校もお休みになった。

 休みに先んじて、娘の幼稚園でもカーニバルイベントが。仮装をしてこいとのことなので、なににする? と本人に聞くと、当然のように「お姫様!」とのこと。そこで、私が気に入っているおもちゃ屋さんに下見に行くと、お姫様の衣装は良いものだと50ユーロや70ユーロする。安いのは30ユーロくらいからあるが、見ているとどんどん高いものの方が当然良いのが分かってくるので、買えなくなってくる。ほかのチェーン店も見てみたけれど、ディズニーキャラクターのお姫様衣装も売られているが、やはり高いし、ディズニーねえ……うちのやつ、まだ元ネタ知らないしね……という気持ちも。一日限りのことに、お金かけても……と思い、薄いチュールにラインストーンもどきを貼付けて、オーバースカートを作り、娘がこだわっていた背中に背負う羽根を買って、手持ちのピンクのワンピースに装着して完成、とした。
 当日、幼稚園にたどり着くと、やはりみんな気合いの入った(お金のかかった)格好をしてきていた。女の子たちはほとんどお姫様。色とりどりのドレスを着ている。一人、インディアンの扮装の女の子がいて、足下まで長くたらした羽飾りは仮装用のものと分かるが、スエードのスカートやロングブーツは手持ちのものらしい。とても格好よかった。
 意外だったのが男子陣で、ちゃんと仮装用の衣装を着ていて、バリエーションが女子より豊富。海賊あり、ロビンフッドあり、バットマンあり……。みんななりきって楽しそうにしている。海賊の男の子は短剣でお姫様集団に斬り掛かってくるし、ロビンフッドはちゃんと弓矢を持っていた。うちのは女の子だったので、やりたいだろう、喜ぶだろうと思っていたが、男の子だったら、適当にしてしまっていたかも。ちょっと反省したのであった。