2008年12月12日金曜日

食べ物を買うこと

 夫は食べ物にうるさい。肉は対面式でないと買いたくないとか、パンはここで買いたいとか、蕎麦はこれだとかいろいろうるさいことを言う。本人に言わせれば、私の方がずっとうるさいそうだが、まあそれはお互いさま。日本にいるときは、そうね~、私たち気が合うわね~、で済む。済んでいた。
 ボンに引っ越したとき、一ヶ月早く出国して暮らしていた夫に「肉や野菜は、スーパーのは良くないから、個人商店か、朝市で買うと良いよ。この家のそばで肉屋はここ、八百屋はここ、朝市が建つのは*曜日で……」とか言われた。ラジャー! と翌日さっそく行ってみて、当たり前だが、ドイツ語がわからない。八百屋で、肉屋で、日本語で「あれ、それ、いや違う、そっちそっち」と言いつつ手に入れた。その後、魔法の言葉「Wie heisst das?=これはなんといいますか?」を覚えて、野菜を、肉を手渡してもらうたびに繰り出して、また、料理雑誌を熟読して、食材の名前を覚えていった。もちろん、当時はすぐ挫折したとはいえ、ドイツ語学校にもしばらく通っていたので、そこで覚えたことも多い。

 さて、ブリュッセル。
 ホテル住まいの最初の半月で各曜日、各地の朝市を巡った。フランス語は、それでもドイツ語よりも食材になじみがある。ドイツでの苦い経験(?)を活かして、フランス語は買い物で使うボキャブラリーに限定して覚えることに決定。料理雑誌を即購入、日本から持ってきたフランス料理の本も参考に食材と、あと、数字(これがかなり重要)を集中して覚えた。
 家を決めて、拠点となる朝市も決まった。また、肉屋は月曜日はここ、水曜日はここで買うとどんどん定まってきた。同じ店に通えば、多少たどたどしくても許してもらえるし、パンとか、呼び名も教えてくれるようになる。ドイツでもありがちだったが、怒濤のように話しかけてきて、買わされることも(苦笑)。

 朝市には日本語を話せる鶏肉屋さんが来る。観光地だったらぜったいぼられると思うくらいの流暢さで(はい、失礼な発言ですが、最初はちょっと警戒しました)、「骨なしもも肉ですか? ひき肉? スパイスなし? 何グラム?」などと聞いてくれる。ちなみにヨーロッパではもも肉は骨があるのが当然、ひき肉はスパイスを入れるので、このお店はかなり貴重。日本人にはありがたい。合計金額も、おつりもさっと日本語で出てくる。
 最後に、にっこり笑って「良い週末を!」と言われ、がんばって返事しようと思ったが、出てきたのはドイツ語の「Schoenes Wochenende!」だった。お肉屋さんは、顔色一つ買えずに「Vielen dank!」とさらりと返してきた。

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